アメリカ・ウィスコンシン州、エルクホーン—。T.J.ゲッツェンによって1939年に創設されたゲッツェン社は、ポリシーである「金管楽器ならゲッツェン」を半世紀以上にわたって引き継ぎ、今日に至っています。
1960年代にはベスト・セラーとなった900シリーズの開発に成功、それと共にすべての機種がモデル・チェンジされ、プロの奏者からも熱い注目を浴びるようになりました。
1991年からは、J.ロバート・ゲッツェンが創設者であるアライド社との結び付きにより、さらなる円熟と発展を遂げています。
管楽器の修理を出発点として発展し、そのカタログがアメリカで管楽器修理業のバイブルと呼ばれるほど高く評価されるアライド社の最新の技術と、ゲッツェン社の熟練した職人たちの製作技術との融合は、ゲッツェンに金管楽器の専門メーカーとしてトップ・レヴェルの品質の維持をもたらし、手工管楽器の専門メーカーとしていまや揺るぎない地位と評価を得るに至りました。また、さらなる品質の向上を目指し、新しいコンセプトによるカスタム・シリーズ等の研究開発を進めています。
ゲッツェンは、あらゆるレヴェルのプレーヤーの要望に応えるハイ・クォリティな楽器を、現在もハンドメイドで丁寧に作り続けています。
GETZEN HISTORY
1939(昭和14)年 | T.J.ゲッツェンが、アメリカ・ウィスコンシン州、エルクホーンにてゲッツェン社を創立。 |
1946(昭和21)年 | ゲッツェン社として第1号トロンボーンを完成。最初の1年間で約1,000のトロンボーンを生産。 |
1947(昭和22)年 | トランペットとコルネットの生産も開始。 |
1949(昭和24)年 | T.J.ゲッツェンの息子J.ロバート・ゲッツェンが工場長に。 |
1950(昭和25)年 | 1950年代には従業員が80名に。従業員数だけでなく、品質・生産数ともに向上・増加。 |
1959(昭和34)年 | J.ロバート・ゲッツェンがゲッツェン社の工場長を辞任し、アライド・ミュージック社を創設。 |
1960(昭和35)年 | ハロルド・ノウルトンがゲッツェン社を買収。 |
1962(昭和37)年 | ドク・セヴァリンセンをはじめ多くの著名なプロ奏者たちの助力のもと、ゲッツェン社はトランペット、コルネット、フリューゲルホルンのプロフェッショナル向けラインの設計と製造を開始。 |
1963(昭和38)年 | 不運にも工場が火災に。しかし翌年には製作を再開。 |
1965(昭和40)年 | T.J.ゲッツェンのもう一人の息子ドナルド・ゲッツェンがゲッツェン社の副社長を辞任しD.E.G.ミュージック・プロダクツ社を設立。J.ロバート・ゲッツェンのアライド社は楽器パーツやリペア・ツールなどを製作する一方でD.E.G.社のためにピストン・ビューグルの製作を開始するなど、両者は再び協力関係に。 |
1983(昭和58)年 | プリマ楽器が「ゲッツェン」の輸入特約店となり、トランペット、トロンボーンの販売を開始。 「ゲッツェン」、昭和58年の雑誌広告。 |
1985(昭和60)年 | ゲッツェン社、チャールズ・F.アンドリュースに売却。 |
1987(昭和62)年 | トランペット「1200シリーズ」を発売。
「1200シリーズ」、昭和62年の雑誌広告。 |
1989(平成元)年 | プリマ楽器が「ゲッツェン」の日本総発売元となる。 トランペット「ルネッサンス B♭&C」を発売。 「ルネッサンス」、平成元年の雑誌広告。 アライド社を引き継いでいた、J.ロバート・ゲッツェンの2人の息子トーマス・ゲッツェンとエドワード・ゲッツェンがエドワーズ・トロンボーンを製作。 |
1990(平成 2)年 | アライド社は著名な金管五重奏団「カナディアン・ブラス」と連携し、彼らが演奏し販売する楽器を作り始める。 |
1991(平成 3)年 | アライド社がゲッツェン社を買収。ゲッツェン社は31年ぶりに再びゲッツェン家の経営下に。アライド社を子会社化し、そこに最新設備を誇る工場を増設。 |
1992(平成 4)年 | ゲッツェン社はエドワーズ・トロンボーンの成功を生かし、完全に再設計されたプロフェッショナル仕様の楽器でトロンボーン市場に参入。ゲッツェン社が楽器メーカーとしての尊敬を取り戻し始める中、新生ゲッツェン社の絶え間なく向上する生産品質が市場で注目されるようになる。 トランペット「マーヴィン・スタム・モデル 20M」を発売。 Marvin Stamm Model 20M、平成4年の雑誌広告。 プリマ楽器が「エドワーズ トロンボーン(Edwards)」、「カナディアンブラス・コレクション(Canadian Brass Collection)」の日本総発売元となる。 Canadian Brass Collection、平成4年の雑誌広告。 |
1994(平成 6)年 | トロンボーン「1062FD(デイヴ・テイラー・モデル)」を発売。 |
1995(平成7)年 | トロンボーン「3047AF」、トランペット「3050B」「3060C」を発売。 「Model3047AF」の雑誌広告。 |
1996(平成 8)年 | トロンボーン「3062AF」を発売。 |
1998(平成 10)年 | トランペット「590S」、ピッコロ・トランペット「940S 4th.St.」を発売。 |
1999(平成11)年 | トロンボーン「1052FD」を発売。 トーマス・ゲッツェンがゲッツェン社とアライド社の社長に就任。 |
2000(平成12)年 | トロンボーン「3508」「725」を発売。 エドワーズは成長を遂げ、ゲッツェン/アライド社の敷地の一角にある自社の建物に移動。エドワーズの楽器の製造はゲッツェン工場で行ない、オフィス、プレイ・テスト、最終組み立て、セールスは改装された建物に移動。 |
2001(平成13)年 | 23年ぶりに再びドク・セヴァリンセンとの共同で新しい「Severinsen Custom Trumpet(セヴァリンセン・カスタム・トランペット)」の製造を発表。 |
2003(平成15)年 | トランペット「Model 3001GPLE Severinsen」を限定発売。 「Model 3001GPLE Severinsen」、平成15年の雑誌広告。 「3001 & 3001LE Severinsen Model(セヴァリンセン・モデル)」のトランペットが「Artist Model(アーティスト・モデル)」に名称変更され、「Custom Series(カスタム・シリーズ)」のひとつに。 |
2004(平成16)年 | 「Custom Series(カスタム・シリーズ)」ラインを拡充すべく、フリューゲルホルン「3895」、コルネット「3810」と「3892」を発売。 |
2007(平成19)年 | 非常に人気の高い「Eterna」ラインに、まったく新しい「907S Eterna Proteus」トランペットを発表。 ゲッツェン社は「Griego Mouthpieces(グレイゴ・マウスピース)」と提携し、ゲッツェン独自のトロンボーン・マウスピースを開発。「Custom Series(カスタム・シリーズ)」のトロンボーン用には特別に設計されたグレイゴ・マウスピースを標準装備。 |
2009(平成21)年 | ゲッツェン、Edwardsブランドからトロンボーン「アレッシーモデル T-396A」を発売。 |
2011(平成23)年 | 20年近くにわたりプロフェッショナル・グレードのトロンボーンがどうあるべきかの基準となってきたゲッツェンの「Custom Series(カスタム・シリーズ)」トロンボーン。「4047DS Custom Reserve」というまったく新しいトロンボーンによって、その基準がさらに高まり、再び「Getzen(ゲッツェン)」の名がプレミアム・トロンボーン・プロダクションの代名詞に。 |
2012(平成24)年 | 「4047DS Custom Reserve」に続き、世界的に有名なトロンボーン奏者イアン・バウスフィールドとクリスタン・グレイゴとのコラボレーションにより「4147IB "Ian Bousfield" Custom Reserve(カスタム・リザーヴ)」トロンボーンが誕生。 |
2013(平成25)年 | トロンボーン「Ian Bousfield Custom reserve 4147IB」発売開始。 「4147IB」パンフレット。 ゲッツェン社がゲッツェン家の手に戻ってから約23年。トーマス・ゲッツェンの2人の息子(創設者の曽孫)ブレット・ゲッツェンとアダム・ゲッツェンが、ゲッツェン社の豊かな歴史と伝統を引き継ぐことに。 |
2014(平成26)年 | 「Custom Reserve(カスタム・リザーヴ)」ラインの成功を受け、「4895 Custom Reserve(カスタム・リザーヴ)」フリューゲルホルンを発売。 |
2019(平成31)年 | ゲッツェン社80周年を記念して、「Eterna Deluxe」ラインのトランペット「900DLX」と「907DLX」、コルネット「800DLX」を発売。 |