楽器用クロスのあれこれ
弊社では、さまざまな種類の楽器用クロスをお取り扱いしております。多くの種類があるため、どのクロスを選ぶべきかお悩みの方も多いのではないでしょうか!?
そこで、弊社でお取り扱いしている楽器用クロスの特徴を、改めてまとめてみました。
まず、使用するシーン別に大まかに分類してみると…
管楽器の管体内部の水分を取り除くクロス
管楽器にとって、水分は大敵です。演奏中や演奏後には、こまめにスワブを通して管体内部の水分を取り除くようにしてください。
スワブを使用した後は、楽器と一緒に楽器ケースの中には入れず、こまめに洗い、しっかり乾かすようにしましょう。
さまざまな楽器のために配慮の行き届いたアイテムを多く生み出してきたBG(ビージー)からは、吸水性に優れたマイクロファイバー製、または吸水・発散性に優れたバンブーシルク製の、それぞれの楽器・管に特化したスワブが発売されています。
BG(ビージー)ピッコロ&フルート用スワブ
BG(ビージー)クラリネット用スワブ
BG(ビージー)サクソフォーン用スワブ
BG(ビージー)オーボエ/イングリッシュ・ホルン用スワブ
BG(ビージー)ファゴット用スワブ
BG(ビージー)金管楽器用スワブ
楽器の表面についた手汗や指紋などを拭き取るクロス
管楽器は、ほとんどの場合、素材に金属が使用されています。クラリネットやオーボエのように管体が木製の楽器も、キーの部分などには金属が用いられています。この金属に手汗や指紋などの皮脂汚れが付着したままにしておくと、汚れがとれにくくなるだけでなく、空気中の成分と反応して金属が変色したり、劣化したりして、楽器に悪影響を及ぼします。ケースにしまう前には楽器にやさしい柔らかなクロスで手汗や指紋などを拭き取るよう、日頃からお手入れしましょう。また、拭き取る際は、力を入れすぎて楽器を傷つけないよう注意してください。
弊社でお取り扱いしているクロスには、以下のようなものがあります。
綿、バンブーシルク、皮などの天然素材のクロス
超極細のポリエステル繊維を使用したマイクロファイバークロス
これらのクロスの特徴を、実際に使用してみた感想も交え、表にまとめてみました。
また、昨今、消毒用エタノールをクロスにスプレーするなどして楽器の表面を拭き、消毒される方も多いと思いますので(弦楽器にはNGです!)、消毒薬(消毒用エタノール)への耐性についても記しておきました。
楽器消毒時における消毒用エタノールのご使用については、次のコラムも是非ご参考になさってみてください。
002 コロナ禍での楽器との付き合い方:
ヤナギサワサクソフォーン等の消毒の影響について
どの製品も楽器にやさしい拭き取り用クロスですが、素材や表面の加工、大きさや厚み、艶出し効果、帯電防止加工や抗菌防臭加工の有無、価格、耐久性、そして消毒用エタノールへの耐性など、それぞれの特徴を知った上で、目的にあったクロスをお選びください。
目的別にクロスを使い分けましょう
また、たとえば1枚のクロスでグリスやオイルなどを拭き取り、その汚れがクロスに付着したまま楽器の表面を拭いたりすると、汚れや汚れに付着したホコリが楽器を傷つけてしまいます。クロスは、オイルなどの拭き取り用、消毒用、乾拭き用など、目的別に使い分けるようにしましょう。
楽器と一緒にケースに入れないで!
クロスは、楽器と一緒にケースに入れないようにしましょう。拭き取ったホコリや汚れがクロスから楽器に再付着するのを防ぐためでもあり、高温多湿の場所に置いたままにしていると色移りする恐れもあるため、クロスは楽器と同一空間にはしまわず、ケースの外ポケットなどにしまうようにしましょう。
性能が発揮できなくなったら交換!
クロスはこまめに洗うようにしましょう。また、クロスにもよりますが、毛羽立ちや繊維の脱落が気になってきたら、新しいクロスに交換しましょう。そのままにしておくと、たとえば木管楽器のキー部分のバネやネジなどに毛羽が引っ掛かってしまったりしますので、注意してください。
ところで、ミクロディアやミクロディアFSYは、楽器以外にもショーケースや棚を拭いたり、テレビやPCの液晶画面、スマートフォンやタブレットのディスプレイ、カメラや眼鏡のレンズなどを拭いたり…と、長年、弊社の中でも愛用者が特に多いクロスです。
上でご紹介した製品以外にも、ミクロディアFSY製の、非常になめらかな肌触り+楽器や音符のワンポイントマーク付の「思いやりマスク」もご好評をいただいています。ページには、布製マスクの役割やお手入れの方法などもまとめてありますので、あわせてご覧になってみてください。
プリマ 思いやりマスク
金属(銀)の汚れや黒ずみを磨くクロス
金属(銀)の汚れや黒ずみを磨くためのクロスとして、シルバークロスをお取り扱いしております(生産完了、在庫限り)。
プリマ シルバークロス
このクロスには数種類の研磨粒剤がディッピング加工されており、銀製の楽器や銀メッキ仕上げの楽器の表面の変色や汚れをキレイにすることができます。使用後にクロスが黒ずんでも、研磨効果は低下しません(洗濯によって低下します)。
このクロスで磨いた後は、ワイピングクロス、セーム革、セームクロス、ミクロディア等で乾拭きしてください。
変色した部分以外には使わないで!
楽器と一緒にケースに入れないで!
黒ずみなどの変色が面白いくらいにキレイになるので、楽しくなってついついいろいろなところを拭いてしまいたくなりますが、研磨剤が含まれているということは、表面を削ってキレイにしているということ。研磨する必要がないところまで削ってしまわないように、変色した部分にのみ使うようにしましょう。
また、このクロスは、楽器と一緒にケースに入れないようにしましょう。
ケースに入れるなどして楽器を変化から守る布製品
これまで見てきた、楽器の管体内部の水滴を取ったり、楽器の表面を拭き上げたり、磨いたりするクロスは、基本的には楽器と一緒に楽器ケース内に入れないことが望ましいものでしたが、楽器と一緒に楽器ケース内に入れておくことで、楽器の変色を防いだり、湿度を一定に保って楽器にとってベストなコンディションを保つ、特殊な機能を持った布製品もあります。
モイスレガート®
モイスレガート®は、楽器ケースに入れておくだけでケース内の湿度を長期間(開封時より約2年間)約40~60%に保持し、楽器を良好なコンディションに保つ画期的な湿度調整剤です。三洋化成工業株式会社の開発・特許製品である高分子ポリマーを使用したシートを、ちりめん友禅などの生地で包んで作られています。どんな場所でも使えて取り扱いが簡単。飛行機など乗り物での移動による湿度の変化にも対応します。
C-Guard(シー・ガード)
C-Guardは、楽器ケース内に入れておくだけで、銀製品や銀メッキ製品の変色を防止し、消臭効果も得られる特殊な布です。特殊繊維に含まれている酸化銀が、変色の原因となる大気中のイオウ系臭気物質とイオン反応を起こし、原因物質をすばやく繊維内に取り込み、封じ込めることにより、銀の変色を防ぎます。防止効果は2~3年間(封じ込めた物質が再発生することはありません)。
弊社のプライベートブランド「Rondino(ロンディーノ)」からは、C-Guardの生地を使用して作ったマウスピースケースやポーチも発売しております。
Rondino マウスピースケース
Rondino マウスピースポーチ
おさらい:楽器にとってクロスでのお手入れは大切。楽器用クロスは…
ここまでさまざまなクロスをご紹介してきましたが、大切なのは
ご自分の楽器と目的にあったクロスを選び、適切な頻度で使用すること
クロス自体もお手入れを怠らないこと
1.管楽器の管体内部の水分を取り除くクロスは演奏中や演奏後、
2.楽器の表面についた手汗や指紋などを拭き取るクロスは演奏後やケースにしまう際に用いてこまめなお手入れを。
また、楽器をお手入れしたスワブやクロスはこまめに洗濯して清潔に保ちましょう。
(洗濯の際は、ほかのものとは分けて、中性洗剤で、水か30~40 ℃くらいまでのぬるま湯で洗ってください。
また、熱湯や漂白剤・柔軟剤等の使用は変色・変質につながる恐れがあるため避けましょう。)そして、
拭き取る際は、力を入れすぎないで!
キーなどの細かな部分を拭く際には細心の注意を!
ホコリや汚れを拭き取る際は、力を入れすぎて楽器を傷つけないように注意しましょう。
また、バネやネジなどの細かな部分に生地を引っ掛けたり、
力を入れすぎてバネなどを曲げてしまったり、
毛羽やホコリを再付着させたりすることのないよう、気をつけましょう。
クロスは楽器と一緒にケースに入れないように
ホコリや汚れの再付着、高温多湿環境下での色移りなどを防止するためにも、
クロスは楽器と同一空間にはしまわず、
ケースの外ポケットなどにしまうようにしましょう。
以上のようなことに注意しながら、大切な楽器をより良い状態に保ち、末永く演奏をお楽しみいただけますよう願っております。
このページが、クロスを選ばれる際のお役に立てれば幸いです。