中村 均一 Kin-ichi Nakamura
1983年、東京藝術大学卒業。同年、同大学同声会新人演奏会に出演。また、東京文化会館推薦音楽会に選抜。
1982年にアルモ・サクソフォーン・クァルテットを結成。全国でのコンサート活動に加え、サクソフォーン四重奏の編曲作品を精力的に制作。1986年、第21回民音室内楽コンクールに於いてサクソフォーンとして初めて第1位、及びルフトハンザ賞を受賞。第21回民音室内楽コンクール(現・東京国際音楽コンクール 室内楽)でサクソフォンとして初めて第1位受賞。
1999年のスイス・ロマンド放送交響楽団の日本ツアーに参加、また、日本各地のオーケストラのサクソフォーン奏者としても活躍している。
これまでに、カルテットやソロなど十数枚のCDをリリース。8人編成の吹奏楽アンサンブル「マジカル・サウンズ」や、在京オーケストラ11人の管楽器奏者による「アンサンブル・シュパース」、またまたClassicとPopsの異種混合グループ「Clops」など、新しいスタイルのサウンド作りにも積極的に取り組んでいる。
1999年~2010年、東京藝術大学講師。現在、日本大学藝術学部講師、尚美ミュージックカレッジ専門学校講師。
2017年の夏、八戸にて大動脈解離を発症し、奇跡的に命を助けられる。一時は演奏家としての復帰が危ぶまれたが、多くの方々に助けていただいて快復することができた。音楽に感謝して、その気持ちと命の尊さを伝える活動を続けていきたいと願っている。
ご使用楽器・アクセサリー
S-9930 |
S-9930PGP |
ヤニー・ブースター |
コメント
シルヴァーソニックのソプラノとの衝撃的な出会いはもう30年以上前になります。それもたまたま、今度新しくヤナギサワから銀の管体のソプラノが出るとのことで、私ではなく家人が試奏のご依頼を受け、それならちょっと遊びに行かせてもらおうかなと、軽い気持ちで行ったときのことでした。その美しく豊かな響きに、一瞬ですっかり魅了されてしまいました。 話はそれますが、藝大時代の学食「キャッスル」にあったスプーンのトレイの中には、なぜか数本だけ銀製の物がありました。おそらくどこかの高級レストランが廃業するときに放出されたのを譲り受けたのではないかと睨んでいるのですが、たまに、その幾分ズッシリとした銀のスプーンを取ろうとしてうっかり床に落としてしまったことがありました。その落下音は食堂のホール中にシャーンと大きく響き渡って恥ずかしい思いをする訳ですが、他の金属ではこの銀ほど美しい倍音で鳴り響くということはないのではないかと感じたのを、このシルヴァーソニックのソプラノに息を入れたときに思い出しました。 わぁ、これは使ってみたいなぁ、とその日から今までに管厚を厚くしたものやシルヴァーにピンクゴールドメッキをかけたものなども含め、気がつくと4本使い続けています。ヤナギサワ・クロッシュさんで細かに完璧なメンテナンスをやっていただいているのも、本当にありがたいです。 いまでこそ、シルヴァーの素材で楽器を作ることは他のメーカーでもやっていますが、海外を含め、始めたのはヤナギサワが最初です。そればかりか一体型だったソプラノのネックをデタッチャブルにしてカーヴド・タイプを作ったのも実はヤナギサワで、特許を取らないで自由に他のメーカーも真似をしてくださいとしたのが会社と社長さんの心意気です。そうした楽器作りの創造力と真心がこの楽器には込められています。最近では漆の楽器も作っていて、採算を度外視したこういうメーカーがあることを、日本人として誇らしく思います。 日本人と言えばオリジナリティがないとか外国の真似をするだけで追いつけないという声を時々聞くことがありましたが、それはまったくの間違いです。良いものを受け入れてさらに優れたものに発展させる発想と技術においては特別な資質があることを、このソプラノと会社のポリシーを目の当たりにするたび、ワクワクした思いで確信します。言うなれば楽器界の大谷翔平ですね。 ヤナギサワさん、これからも日本をますます元気にしてください。 |
Links
八戸でみたゆめ 公式サイト |
Apple Music - Harmo Saxophone Quartet |
CD、DVD、著書
アルモ・サクソフォーン・クァルテット |
HARMO Best 【MM-1133】(Meister Music, 2002) |
Songs for Tony 【MM-1064】(Meister Music, 1999) |
British Winds 【MM-1039】(Meister Music, 1998) |
革命児 【MM-1026】(Meister Music, 1996) |
Gift 【MM-1016】(Meister Music, 1995) |
フランスのエスプリ 【ON-3013】(Orange note, 1994 Meister Music) |
四重奏の日々 PartⅡ 【ON-3008】(Orange note, 1994 Meister Music) |
四重奏の日々 PartⅠ 【ON-2003】(Orange note, 1993 Meister Music) |
アルモ・サクソフォーン・クァルテット「サクソフォーン四重奏アレンジ曲集」楽譜 |
ほか、多数 |
メディア掲載・出演
Pipers Vol.459(2019年11月号) 【インタビュー】 サクソフォン 中村均一 いのちをつなぐ音の旅 九死に一生を得た感謝の気持ちを音で…… |
Pipers Vol.442(2018年6月号) 【インタビュー】 サクソフォン 中村均一 奇跡的に救われた僕が改めて知った「音楽の持つ力」 |
THE SAX Vol.2(2001年7月) 【Super Ensemble】 アルモ・サクソフォーン・クァルテット |
Band Journal(1999年4月号) 【表紙 & SPOTLIGHT】 アルモ・サクソフォーン・クヮルテット |
Pipers Vol.189(1997年5月号) 【特集】 アルモ・サクソフォーン・クァルテット |
Pipers Vol.60(1986年8月号) 【Topic】 アルモ・サックスアンサンブル |
ほか、多数 |